序 ~コンプライアンスとは
- 刑事事件を犯さないのがコンプライアンス厳守(法令遵守)ではない。 当然のことである。
- そうしたことを起こさないよう体制をつくり管理をすること。
- リスクは必ずある。
- 事件が起こったとき、隠さない、説明する、決断する、戦う。
- 護送船団方式は終わった。上級庁は業界を助けてくれない。むしろ切り捨てに回る。
役所の特徴
- 業務よりも地位保全を目標にする。
- 何のために利益が在るかと言えば、変革とリスクに対処するためである。
- 経営の目的ではない。経営の結果にすぎない。(ドラッカー)
- 前例があれば安心ではない。前例は何の役にも立たない。
- 特に裁判所では意味がない。
- 「赤信号みんなでわたれば怖くないか。」
- 医者はクスリを投与して様子を見るが、役人は何もしないで様子を見る。
- ひたすら転勤を待つ。
- 役所の契約書は役にたたない。
- 会計監査のために作って出金根拠とするためにだけある。
- 契約書の目的はトラブルの未然防止である。
- 担当者が上司の責任追及を恐れ、事件を隠す。
- さらに上司が業務を把握していない。事件が大きくなってから認知する。
- 茶碗と被疑者はかならず割れる。(老練検事の述懐)
- 共犯者からすべてがばれる。郵政の係長。受益した者が警察怖さに喋る。
- 新聞社やマスコミの対応をするすべを知らない。
- すべては早く正直に。マスコミには絶えず情報を流し、説明をする。
- マスコミはウチだけとか、独占インタビューに弱い。
- ペンは武よりもつよし、しかし金によわし。
- 前記事態に陥ることを避けるために、見て見ぬフリをして、くさい物にふたができるならしてしまいたい。
- 素人は情報は隠せると思う。
- 役所一家で、職員は企業を守ると思う。
- 公益通報者保護法
- 公益通報者保護委員会の設置(弁護士会)
- 内部告発に心理的抵抗はない。
役所には民事法だけではなく、行政法上、議会関係、それと、格式がある。
不祥事があればどういうところが飛んでくるか
- マスコミ
- 警察
- 政治団体等
不祥事を起こさない対策
- 見て見ぬふりをするな。
- 倫理というのは、自分が手を汚さないからいいのではない。
- 立場によれば、防止義務がでてくる。
- 予兆は必ずある。
- ハインリッヒの法則
- ぼやで騒げ。
- (消防署)やけどは最初に大騒ぎせよ。
- (皮膚科の医者)
- 無謬原則は事故の温床。
- 事故は必ず起こる。
- 責任のある人間には説明責任がある。
- 自分の子どものが見ていてもそれをするか。
- 細かな、届け出、規則違反にも注意をせよ。
- 昔と今とは違う。
- 護送船団方式は終わった。監督官庁は当然ながらしっぽ切りをする。
- 「事前規制(役所による行政指導)から事後規制(告訴、告発、処分、裁判などの法的手続き)に」国際化とともに社会のルールが変わった。
不祥事が起こった時の対策
- 事態を細大漏らさず直ちに把握する。
- 対策を立案し、直ちに実施する。
- 事柄をオープンにする。秘密主義をとらない。
- 事柄に応じて、上級官庁に報告、社会問題になりそうなら記者会見を開く。(情報開示)
- 例)午前8:30に記者会見 ⇒ 夕刊で済んだ。
- 例)交通事故、逃げるから刑務所に行く。
- マスコミ対応を間違えない。速やかに記者会見を行う。
- その前に事態を最大漏らさず把握しないと、記者の集団リンチにあう。
- マスコミとの窓口を一本化し、担当者を決める。
- 被害者があれば、役員トップが直ちに見舞う。
- 時期をおくと、敷居が高くなる。
総括
みて見ぬふりをするな。
倫理は他人のためならず。
投稿者プロフィール
- 弁護士法人 田中彰寿法律事務所 代表。
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