※こちらの記事は、2014年1月に執筆したものです。
首相の靖国神社参拝が絶えず近隣の国際問題になる。
おそらくそれはその国と日本との死生観の違いによるのであろう。
理屈の問題ではない。死生観の違いを理屈で論争するから何年たっても解決つかない。
日本人は、死ねばどんな極悪人でも平等に扱われる。死者をむち打つなどというのは日本人の人生観からは最も嫌われる。
昔、中国に南宋という国があった。この国は北方遊牧民族の金に圧迫される。当時南宋の宰相であった秦檜(しんかい、1090年~1155年)は、金に一時拘留されていたこともあって、帰国してからも融和政策をとり、敵対政策をとなえる武官を徹底的に弾圧した。民衆に対しては恐怖政治をしいた。
この秦檜、現在でも中国国民には人気がない。 杭州の岳王廟には後ろ手に縛られた秦檜夫妻の座像があって、長らくその前を通る民衆から唾を吐きかけられたという。おそらく街頭で唾ばを吐かないようにという国民運動の起こされた最近まで唾を吐かれていたのではないか。
死後1000年にもなっても死者を憎み続ける民族性を持つ国である。
他方日本は死ねばすべてを水に流し敵味方平等にとむらう。
なぜ、A級戦犯といえども死者を憎むのかという民族と魂魄(こんぱく)の魄が動き回る死者をなぜ許すのかという死生観の違いだろう。
その死生観の違いから説明しなければいつまでたってもことは乗りこえられないだろう。
2014.01
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- 弁護士法人 田中彰寿法律事務所 代表。
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