※こちらの記事は、2014年3月に執筆したものです。
私が大学を卒業して職についた40年前に購入したN社のズボンプレッサーがある。それを今まで使っていた。
正確にはまだ使っているのだが、実は最近壊れた。
壊れたといってもちょうつがいの一本が壊れてうまくズボンを挟めなくなった。本体は壊れていないので工夫して使っている。
メーカーにちょうつがいがないか事情を説明してメールで問い合わせたら、丁寧なお礼のメールとともに、さすがに工場にもないという返事がきた。
そりゃそうだろう、40年前の製品なんだから。
もよとりメイドインジャパンである。ちょうつがいの問題だけでまだ本体は使えるのだから、日本製品の面目躍如たるものである。
他方、2年前、白物家電で有名なH社の冷蔵庫を購入した。
2週間もたたないうちにサーモスタットが壊れて使えなくなった。
この会社の過去の冷蔵庫でこのような製品は全くなかった。
部品を取り替えてくれてと連絡した。
部品の取り替え工事に来るのかと思ったら、何も言わずに製品本体ごと交換にきてしまった。何もこの販売店が親切なのではなかろう。取り替える能力が怪しいのと、人件費を考えれば製品ごと取り替えた方が安いだけだろう。
もとよりメイドイン外国工場である。
日本の技術はこれほど劣化したのか。
それとも外国へ丸投げをしているからすぐに壊れても取り替えればよいという発想なのであろうか。
そうだとするとそれは思想の劣化だし、H社の名が泣くだろうというものである。
この40年の間に日本の工場をひたすら外国へ移設し、日本の空洞化を招いたと言われるが、それでも家電各社は青息吐息である。
2014.03
投稿者プロフィール
- 弁護士法人 田中彰寿法律事務所 代表。
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