※こちらの記事は、2015年4月に執筆したものです。
中国人の学生達とのすき焼きパーテイのときである。
彼らは大学院生、当方は大体還暦を過ぎている。懇親会を重ね会う位だから言いたいことを言ってもさほど問題ではない。彼や彼女達は日本語も達者である。
世話役の日本側が
「中国人はしたたかやから日本はいつもおされるぎみになるわ。」
といった。
そのときの女学生が
「したたかというのはどういう意味ですか。」
と聞いてきた。
なるほど、説明するとそれは難しい。
日本側があれやこれやで説明してもその説明に中国側が理解できないし、日本側自身も異論がでてくる。しまいにスマートホンで辞書検索をしてみるが、これも必ずしも的確とは言えない。
その辞書の解説に日本側で賛否両論なのである。
外見だけのことばでも無いし、強い人間を指す言葉でもない。かといって弱い人間が見せる強さだけでもない。同じ言葉でも中国側と日本側の理解が異なるのはよくあることである。
有名な話であるが「手紙」は中国ではトイレットペーパーである。この例などは他愛がない。
田中角栄訪中の際「大変な迷惑をかけた」と述べ、日本外務省は軽いお詫びの「添了麻煩」と訳した。周恩来の表情が急速に変わっていったという。
言葉で説明できなことは山ほどある。
何度も交流をくりかえすことによって言語外の意味をお互いが理解しあわなければならない。
最近の国際関係は余裕を無くしそうした努力をしなくなったように思う。
2015.04
投稿者プロフィール
- 弁護士法人 田中彰寿法律事務所 代表。
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