次なる危機に備えよ~ドル体制の崩壊

次なる危機に備えよ

世界中、救済バブルの様相を呈しています。それは日本だけではありません。中国でも農民が家電を買うときには補助金を出すとか、日本もエコポイントとかで節電家電を売るとか。アメリカも補助金の固まりで、銀行そのものが国有化されたようなもので、究極の補助金です。今や、アメリカで導入されようとしているのがこの会計基準です。

FRB議長、自己資本規制「見直しを
金融機関の報酬、改革促す
【ワシントン=米山雄介】

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は20日、アリゾナ州フェニックスで講演し、「政策当局者は既存の自己資本ルールや会計基準を見直すべきだ」と述べ、金融機関の自己資本比率規制や時価会計ルールを再検討する必要があるとの考えを示した。高額賞与など金融機関の報酬にも触れて「金融監督当局は細心の注意を払わねばならない」と指摘。金融機関の報酬制度見直しの必要性を訴えた。

 みなさん、これとBIS基準のおかげで、数々の日本の銀行・信用金庫が倒産に追い込まれたことを覚えておいででしょうか。その時期のことは今でも小説や、NHKのドラマにされます。アメリカをはじめとする欧米諸国が日本を料理しようと、どれほど執拗にせまったか。また、これを国内で受け入れ、欧米に日本の銀行や会社を売り渡した政府要人が何人いたことか。
 それが今では、それはやめておこう、と。日本は元々取得原価主義の含み益経営をしてきた訳ですから、元に戻る方がよろしい。
 しかし、アメリカ人というのは、政府、マスコミ、銀行をあげての身勝手な自己中心のご都合主義だというのがわかります。

今そこにある危機 ドル体制崩壊

 さて、ここまでして世界中で必死に救済劇を演じているのがわかるでしょうか。

 問題は、こんな未曾有の救済劇がいつまで続くのか。救済資金がいつまであるのか、資金は中央銀行が輪転機を回せば、つまりFRBのコンピューターから各銀行のコンピューターに数字を振り替えれば、印刷機もなしで貨幣が発行できますが、こうしたコンピューター貨幣の操作は永遠に続けられるものなのか。アメリカのFRBは世界通貨だからいいが、それ以外の各国は永遠にそうしたことを続けられないことは明らかです。

 オイルを販売する中東は、そうしたFRBのコンピューターから付け替えられる架空の貨幣で、いつまでオイルという最も重要な実物資産を交換できるものであるのか。

 アメリカの属国でありたいと心から願っている日本でもいつまでも日本の生産物をそのような架空貨幣に交換してていいのか。いつか、どこかでこの架空貨幣社会は回転を止めるのではないか。世界中の、特に実物資産を多く持つ国々はそうした薄氷を踏む思いで毎日を過ごしているのではないか。今まで国内の実物資産を売り続けて貯めた架空資産がカスミと消えていく恐怖に襲われているのではないか。特に中東やロシアなどは戦々恐々としている。

 その点、国民の労働で資産を貯めた日本や中国はまだ気が楽ではないか。国民がいる以上、働けばまた稼ぐことはできる。国内の貴重な資産を売り食いしたわけではない。労働は生活レベルをあわせればいつまでも続けることができる。

 さて、世界が今最も恐れおののいているのは、近々起こりえるであろう$(ドル)という架空貨幣が蜃気楼のように消えて無くなることであろう。

私たちへの影響は

 まあ、当座もっとも影響を受けるのは日本です。
 私たちに想像できることをあげましょう。

  1. 株式は大暴落。企業人はもう、わけのわからない株には手をだない。
  2. 信用金庫をはじめとする弱小金融機関は倒産と整理統合。早めに、メイン銀行を倒産しない金融機関に変更しておく。
  3. 石油の暴騰。だからプリウスだけが売れる。
  4. 穀物などの暴騰。つまり食い物が上がる。米を備蓄しよう。
  5. 世界的実物資産の大暴騰。ただし、日本の不動産は上がりそうにもない。不況になれば土地を買う企業・人はいなくなる。
  6. 石油消費産業の生産物の値上がり。電気代など。農作物だって石油が無ければ精算できない。生産費が上昇する。太陽光発電はのびる。
  7. 会社の倒産と失業率の増大。そして今回はしばらく救済策はない。資金がない。
  8. 社会不安が広がる。警察と弁護士は忙しい。
  9. 行き着くところは日本も新円の発行。ここで支配者階級のかなりが入れ替わる。資産を何で持つかで勝負は決まる。

 

海狸庵の経営学